2022.12.29 -

BLOG

カラーレンズ・見本染色について

みなさまにいつも何気なく使っていただいているカラーレンズ。
カラーサンプルを見て色目や濃度をお選びいただくのですが、製作工程は各社とも企業秘密の部分が多く、あまり公にはされておりません。

今回、様々な業界・分野での値上がりがありましたが、当店では【レンズ染色代】を値上げさせていただくことになりました。

オートメーション化が進むレンズ工場において、染色工程は人の目、手作業に依存する部分です。
さらに、面白半分で生み出した光陽オリジナルカラーは、当店でイメージしてアレンジした独自のものです。これをメーカーに注文するには【見本染色】してもらう必要があるため、通常カラーよりもさらに作業工程が多く、オプション代がかさみます。
これまで通常カラーと同金額でご提供しておりましたが、様々なコスト高のあおりを受け、たいへん心苦しいのですが、2023年1月より割り増し料金を頂戴することとなりました。

単に値上げするだけではただの便乗となったり、皆さまにその価値をご理解いただけないと思い、今回はカラーレンズについて、特集記事を書いてみたいと思います。

【KOYO ORIGINAL COLORED LENS / Fuji, Mayu, Aso】


大昔、様々なコーティングが施される前の時代には、実は店頭でレンズ染色が可能でした。
染料を用意して暖め、プラスチックレンズをどぶ付けして染める…そうやって個性のある様々なカラーレンズがお店単位で作られていました。
ただ、当時のUVカットが施されていないカラーレンズで遮光すると瞳孔が開いてしまう関係で、紫外線の悪影響をもろに浴びてしまいます。
そんな健康上の兼ね合いだったり、コーティングが進化したりと(コートされていると染色できない)、店舗で染めるカラーレンズというのは徐々に衰退していきました。

レンズメーカーに染色してもらうのが主流の時代となると、注文時に希望の色彩を伝えるため、カラーにおける共通認識が必要となります。
そうして、メーカー各社の共同開発で、【アリアーテ】というカラーサンプルが制作されました。
このアリアーテに採用されているカラーについては、各社でレシピが共有されており、基本的にどのレンズメーカーでも同じ色目でご用意できます。


長い前置きでしたが、ここからが本題です。

店頭に並んでいるサングラス等を度付きにして使いたい場合。
【見本染色・サンプルカラー】としてそのレンズを送り、メーカーさんにお預けします。色のレシピが公開されていない染色作業は、音楽で言うところの絶対音感のようなものが必要で、熟練の職人さんがレシピを計算しながら手作業にて染色します。

ただ、レシピも単純なものではなく、屈折率、度数による厚み、コーティングの種類、季節や温度・湿度によって染まり具合が随分と変わるため、長年の経験を踏まえて、3~4種類の専用の液剤を使い分けて染め上げます。この部分は、オートメーション化できない、経験がものを言う部分となります。

先述のアリアーテカラーにはない、痒いところに手が届くカラーをという思いで、染色職人さんとやり取りをしながら生まれたのが、光陽オリジナルカラーなのです。

【ASO】

【ASO】

【MAYU】

なお、度付き特注レンズとしての加算料金は値上がりしてしまいますが、度無しの最高級コーティング付きは既に在庫してある分ですので、こちらは据え置き価格でご提供いたします。

詳しくはコチラ


この記事のフレームやその他当店取り扱いのブランド、
メガネのことに関するお問い合わせ
LINE(1:1トーク)、もしくはメールでどうぞ。

SCROLL