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BLOG 2019.04.07 日曜日
◆遠近両用レンズの提案性 その1

※文字多めです。この記事の対象年齢は、近視・遠視問わず、視力の良い人も含め、10歳以上の方全員となります。

 

 

 

 

はじめにお伺いします。お手元の作業、苦手ではありませんか?

パソコンや、スマートフォン、書類作業など。

 

私は苦手です。「若いのになに言ってんの」とお叱りを受けることもありますが、そういうことではありません。

 

 

 

sick_rougan_smartphone

※スマホのしすぎでピント調節がしんどくなった状態。年齢問わず発生します

 

 

 

上のイラストのように、手元の作業を無理にし続けると、目が凝り固まり、近くはおろか遠方の視認性までさがったり、そのせいで頭痛や肩こりにまで繋がったり。

 

これは、“スマホ老眼”です。小学生のあいだにもスマホ老眼の発生が指摘されています。

 

近方視のしすぎでピント調節に難が生じ、快適な視環境ではなくなること全般をそう呼びます。近くも遠くも見づらくなります。

 

 

 

 

 

 

■スマホ老眼の対策について

 

1.近見用メガネをつくる

 

2.サポートレンズ(アシストレンズ)を入れた、スマホ老眼メガネをつくる

 

 

 

1.近見メガネをつくる

 

まず第一にオススメできる簡単な対策は、手元にピントが合いやすいように遠くのピントを甘くした“近見用レンズ”をお使いいただくことです。

 

厳密に言えば、度数を下げると眼位が動くことになりますので、その分レンズの中心をうまくズラしてあげなければなりません。
ズレ方は人それぞれで、それをお調べするには“両眼視検査”が必要となります。

 

ただし度数を落とす分、遠方が見えず、車の運転はしづらい、もしくはできないメガネとなってしまいますので、メガネのかけかえが前提です。

 

メガネを一本しか持っていない方には、現実的ではない選択肢です。

 

本格的な老眼が始まった方は、対策を先送りにせず、二本目のメガネをご検討いただいてもよろしいかと思います。

 

「どんどん老眼すすむから、すすみきったら考えます」と仰る方もいらっしゃいますが、たとえば60~70歳まで耐えつづけることは現実的に困難ですし、お仕事の責任も増す50代で、パフォーマンスの低下を感じながら我慢しつづけることは、生産性の低下に他なりません。

 

ご退職なさってからよりも、今どんな対策をとれるかが大事だとお伝えしています。

 

 

 

 

2.スマホ老眼用メガネをつくる

 

第二の対策が、スマホ老眼用(遠近両用)レンズです。

 

遠近と聞くと、どこか年寄りくさかったり、使いにくいイメージをお持ちではありませんか?

 

スマホ老眼用の遠近両用レンズ(アシストレンズ、サポートレンズ)”というものが生まれています。

 

 

 

 

●サポートレンズって?

 

遠近両用レンズと同じ構造をしていますが、本物の遠近よりもアディション(近くの見えやすさ)を緩めており、歪みが少ないのが特徴です。

 

初期の老眼の方や、手元作業が多い方の近業をアシストしてくれるレンズです。

 

「20代で遠近!?」と驚かれますが、10年前以上前『ガラケー・書類作業・少しのエクセル・ワードだけ』という時代とくらべると、『スマホ・タブレット・LINE・SNS』の現代、近見時間は軽く倍以上に増えているだろうと思います。

 

スマホ老眼用レンズは、お年寄り用ではなくむしろ若年層~壮年期が対象で、老眼がしっかり始まった方への処方では、あまり効果が感じられずオススメではありません。

 

 

 

 

●遠近両用レンズって?

 

本格老眼の方向けのいわゆる遠近両用レンズも、最近はすこぶる進化しており「私、遠近はどうもだめなの」というお客さまにこそお試しいただく価値があると思っています。

 

ただし遠近両用のレンズは『お出かけ用メガネで、近くを見たいときにもとりあえずは見える』といった感覚のものですので、パソコン作業や事務作業に適切なレンズとは言えません。

 

近くをしっかりと見たいという用途には、“中近両用レンズ(ルーム)”や、“近々両用レンズ(デスク)”をご提案します。

 

※用途別の中近・近々や、最近のハイグレードな設計の遠近両用レンズは、次回にご紹介します。

 

中近両用(ルームタイプ)…『テレビを見たり、本を読んだりしやすい、コンビニに行く程度ならなんとかできる、室内用レンズ』

 

近々両用(デスクタイプ)…『パソコンと手元作業に特化した、近見専用のレンズ』

 

 

 

 

 

■遠近両用レンズの見え方あれこれ

 

文章だけでお伝えするのもなんですから、写真でご説明してみます。

 

少し伝わりにくい写真ですが、心の目で見ていただけたらと思います…。

 

 

DSC_4800

【多焦点レンズ / 遠方視中】

 

まずはコチラ。いわゆる“昔の遠近両用レンズ”で、上下にスパッとわかれています。

 

二枚の違う度数のレンズを、上下に貼り合わせたような感じです。

 

遠くを見るときは上のほうをお使いいただくのに対し、近くを見たい場合は下のほうのボヤけたエリアを使ってご覧いただくと、しっかりと手元にピントが合います。

 

 

 

 

 

 

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【多焦点レンズ / 近方視中】

 

こちら近見です。先ほどとは反対に、上半分の遠方部分はぼけますが、下半分は広い視野を確保できます。

 

このレンズの弱点は、『遠方か近方かしか見えない』こと、『ぱっと見ただけで遠近両用とばれてしまう』ことです。

 

たとえば中間距離に位置するパソコンを見るとき、どちらを使ってもあまり調子がよくないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

DSC_4802

【累進焦点レンズ / 遠方視中】

 

対して、こちら。

先述の多焦点レンズは現在ほとんど使われなくなっていまして、ほとんどのお客さまにはこちらをお使いいただいています。

 

マス目をご覧いただくと、レンズに歪みが出ていることがわかります。

この歪みを抑えるためには、設計のグレードをあげていくことが重要です。

 

この累進焦点のメリットは、先述のレンズとは真逆で『遠方近方だけではなく、中間距離も見える』こと、『見た目で遠近両用とばれにくい』ことです。

 

もちろんデメリットも存在し、『レンズの設計を適切に選び、度数とかけ具合をしっかりと調整して、メガネがずれていない状態で使ったうえで、しっかりと慣れないと気分が悪くなる』ということです。

 

 

累進レンズに慣れないとき、

 

『度数の設定がよくない(検査結果や度数処方のズレ)』
『レンズがうまく加工されておらず、レンズの水平がズレている(レンズ加工のズレ)』
『フレームがうまくフィッティングされておらず装用状態がズレている(フィッティングのズレ)』
『そもそも遠近両用のレンズの用途に合っていない使い方をされている(ご説明不足)』

 

このあたりの眼鏡屋の失敗に起因することが多くあります。

 

ですから、私たち眼鏡屋の仕事は責任重大です。

 

 

 

 

 

 

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【累進焦点レンズ / 近方視中】

 

もうひとつのデメリットは『近方の視野が狭い』ということです。

 

上記写真は、累進焦点レンズの中でも、“フィールドタイプ(遠見重視)”のものです。

近方をもっと広い視野でご覧になりたい場合には、設計のグレードをあげたり、シティ・ルーム・デスクなど、適切なタイプにかえていくことが必要になります。

 

フィールド・シティ以外のレンズになさると、お車の運転はできなくなります。

 

 

 

 

次回へ続きます。